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horahareta

吉本ユータヌキのホームページ

コロッケの日に拾ったネコ“ぽてと”の話

人生 U思考 思い出

2015年2月24日の朝方に我が家の愛ねこ“ぽてと”が亡くなりました。

 
リンパに腫瘍、肝炎、膵炎、白血病と病気に蝕まれ、声が出なくなったり、ご飯が食べれなくなったり。それでも病院で入院し最後の最後まで僕と妻が呼びかける声には顔を向けて反応し、触られると嫌がってたはずの手を伸ばしてくれました。
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今から7年前に大阪の大国町に引っ越してすぐ、妻(当時彼女)と買い物の帰りに野良猫が集まる公園へ行きました。
僕は猫が嫌いだったのですが、大の猫好きである妻に腕を引かれ嫌々。エサをくれるのかと寄ってくる猫がたくさんの中、一匹だけ仲間ハズレにされてる猫が。
薄い茶色と白の毛で目から血の涙を流してこっちを見つめていました。
 
なぜか忘れたのですが、僕と妻は買い物袋の中から自分たちのおやつに買ったベビースターラーメンをその猫に差し出しました。
すると、嬉しそうに食べ、おかわりおかわりと言わんばかりの顔をする。
 
面白かったのでベビースターラーメンをチラつかせながら歩き始めると着いてくる。公園を出ても。横断歩道を渡っても。5分ほど歩きマンションに到着。
 
面白がったものの僕は猫が嫌い。ましてや野良猫なんて菌がいっぱい。マンションとマンションの隙間にタオルを敷いたダンボールを置き、急いで近所のペットショップで猫のご飯を買ってあげた。
喜んで食べ、僕と妻は家に戻って夜ごはんの支度を。
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1時間ごとに猫の様子を見に行く。
2時間経っても、3時間経ってもダンボールの中から動かない。
 
その日の晩ごはんはコロッケを作っていて、じゃがいもを蒸して潰してる最中、『名前は“ぽてと”にしよ』と何の気なしに名前を付けた。
 
どうせ翌朝にはいなくなるやろうと思いながら。
 
 
 
ぽてとは3日間同じダンボールの中にずっといた。確か夏前の暑くなり始めぐらいの時期で、3日目の雨の日に妻がかわいそうとベランダに連れてあがった。
 
大人しくて全く鳴かない猫で、ご飯をあげれば黙々と食べ、家の中に入れてくれと無理矢理入ってくることもなかった。
ある日、汚れている身体が気になったことからお風呂に入れて、そのまましれっと部屋猫となり、うちの家族になった。
僕は猫が嫌いなのに。
 
滋賀の実家では猫を飼っていた妻が大阪でも念願の猫を飼えて大喜び。
溺愛のあまりすぐにぽてとに家を買った。ピンクのダンボールでできた三角屋根の家。缶詰のごはんも大量に。
 
経済的に余裕がなかった僕らには大きな痛手でした。缶詰ひとつでもその猫にかけるお金に余裕はない。早く公園に返して欲しいと思っていたが、妻には言えなかった。
 
気づけば猫用トイレや爪研ぎなんかも増えていき、うんちに虫がいるということで病院にまで連れて行った。
白血病。そう長くは生きれないとのこと。
 
僕は病院に通わせて治療させる余裕はない。このまま病院をほったらかしにして飼い続け、死んでしまうなんてと絶対反対。すぐに公園に返そうと言った途端に妻の目に涙が溜まるのを見た。
 
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それから僕は猫を好きになろうと努力した。女の涙に弱い。この先、この白血病がどうなるかはわからない。うまく付き合っていけばあと半年は生きられるとのこと。覚悟をして少しでも長く。少しでも長く、少しでも楽しい余命の半年間を過ごせるようにと心がけ、1日1日を大切に過ごしていたら、7年が経っていた。
 
 
半年の余命とはなんだったのか。
もちろん長く生きてくれることはすごく嬉しい。うまく付き合え過ぎたのかぽてとが一生懸命頑張ったのか。強い子でした。
 
僕と妻は付き合って10年が経とうとしている。何度も何度もケンカをして、会話がなくなる日もあったけど、ぽてとがいたから家族を繋ぎ止めてくれていたと思う。
素直になれず妻に話しかけれない時はぽてとに話しかけたり、ぽてとが寂しくならないようにと気にかけたり。
ケンカして泣いた妻には必ず寄り添って励ますように顔を覗き込んでいたぽてと。
今、今までよりも家族が仲良く過ごせているのは全てぽてとのおかげ。
 
僕らのご飯が始まると必ずトイレに行くし、新居に合わせて買ったソファは2日で爪研ぎにされてボロボロ、毎日布団におしっこしたり。甘えたがりのくせに抱っこすると嫌がるヤンチャでわがままなぽてと。
7年目で僕は猫アレルギーということに気づき、喘息が悪化して毎晩吸入をするはめになったりもしたけど、ぽてとのおかげで僕も妻も毎日笑って過ごせていたと思う。
 
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ご飯が大好きでおかわりが当たり前で妻に止められても、いつの間にかぽてとを溺愛するようになった僕は毎日5食はご飯をあげていた。
おかげで7kgまでぶくぶくとでかくなっていた。お腹の上に飛び乗ってきた時は心臓が止まるかと思うぐらいの重さ。
 
そんな人のご飯にまで手をつける欲張りなぽてとが2週間前ぐらいからご飯を食べなくなった。1ヶ月前ぐらいから声は出てなかった。
風邪かなと思っていた時に妻が気づいた喉の大きな腫瘍。リンパ腫。
 
抗癌剤と通院で少しずつ治療をしようと決めた。今は昔と違って経済的に余裕ができたので少しはぽてとの治療にも費やせる。
とは言いつつも1回の治療にかかる費用が大きくて悩んだ。
 
…それでもぽてとが少しでも長く生きれるならば。
 
 
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首にエリマキトカゲみたいなのを付けられて入院しているぽてと。これすらもかわいく見えてくる。
 
けど、数週間前のような元気はない。僕らが様子を見に行くと元気を見せてくれるかのように一生懸命声を出す。
昔のような綺麗な猫の声ではなく、少しかすれた低い声を。
点滴の為に剃られた毛の腕が痛々しい。
 
リンパ腫の治療の為に麻酔を打って、注射を打ち、一時的に家で様子を見ることに。
 
いつも家に帰ると勢いよう階段を駆け上ったり、ソファで僕と妻のお腹の上に乗って寝る元気はなくなっていた。
麻酔が効いているのか虚ろな目でソファで寝ている。触っても尻尾をゆっくり振るだけで元気はなかった。
 
病院の先生に聞くと麻酔はもう切れているとのこと。ご飯を食べないのもおかしいし、食べてないのに吐いている。
すぐに病院に連れていき、再入院することに。
 
次の日、たまたま休みだった僕は昼と夜と二度病院に行き、1時間ほどずっとぽてとに話しかけていました。点滴で少し元気なぽてとは虚ろながらも鳴きながら寄ってきた。
でも肝炎と膵炎でご飯が喉を通らない。
先生から翌日に食道へ直接管を通して栄養を摂れるよう手術の案が出た。
 
僕はそこまでするのがぽてとの為なのかと思った。悔しいけど、もう命は長くないものだと覚悟をしていた。
 
リンパ腫治療の為の抗癌剤による副作用で肝炎、膵炎に。
肝炎と膵炎の治療中は抗癌剤を摂取できなくなり、少し収まっていたリンパ腫がまた戻ってしまう。いたちごっこに過ぎないとわかっていた。
 
ご飯も自分で食べれない、息もしにくそうで呼吸が荒い。栄養を摂っても吐いてしまうかもしれない。それでも管を通す手術の為にキツい麻酔を打つことはリスクが大きいとのこと。そのまま死んでしまうなんてことも。
 
 
その晩、妻と話し合った。明日の手術をどうするべきなのか。管を通してでも延命することがぽてとの為なのか。
その手術の為の麻酔を打つリスクを考えても。
 
僕と妻はできるならば、あと1日だけでもいいから家で一緒に過ごしたいと思っていた。手術はせずに、最後の日になってしまうかもしれないが家に連れて帰るべきなのかと。
 
話し合った結果、明日の手術をお願いしてまた少し元気になったぽてとと一緒に家で過ごそうと決めた。
そして、次の日の朝方にぽてとは亡くなってしまいました。
 
 
 
入院中にゲージの中から、僕と妻の顔を見ながら手を伸ばしていたのは、家に帰りたいと訴えていたのかもしれない。
最後の入院前にずっと落ち着かず帰りたそうにしていたのは、入院したくないってことだったのかもしれない。
 
遊ばれるのは嫌いやけど、甘えたがりのぽてとは家が大好きだったはず。
それ以上に僕と妻はぽてとが大好きでした。我が子のように可愛がって、死ぬことなんて考えもしてなかった。
まだ何十年も先の想像した未来にもぽてとはいたんやけどなぁ。
 
 
まるまるとして愛敬があり、誰からも愛された優しい猫、ぽてと。
結局、僕はぽてとと過ごした7年間で猫を好きにはなれなかったけど、ぽてとだけは愛してやまない存在になりました。
 
ぽてとが眠ってから家に連れて帰って久しぶりに家族で寝れた時は幸せでした。これ以上ない幸せの最後の時間。
 
 
 
ぽてとがいなかったらこんなに優しくなれなかったし、妻を大事にできなかった。今はなかった。
 
 
ぽてとは楽しかったかな、幸せやったかな。
僕と妻はこれ以上ない幸せの7年間でした。
最後に一緒にいてあげれんくてごめんね。
あの時、ベビースターラーメンに誘われてついてきてくれてありがとう。
家族になってくれてありがとう。
 
 
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こんな親バカの日記を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
 
 
おわり