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horahareta

吉本ユータヌキのホームページ

父さんが買ってくれたハイパーヨーヨー

ウソみたいな日記 人生

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こんばんは、吉本ユータヌキです。

 
僕が小学校の時に『ハイパーヨーヨー』というオモチャが流行った。
今巷で大人達がYoYo言ってるのとは全く関係のない子供のオモチャ。
 
昔ながらのヨーヨーとは違って、振り下ろすと糸が伸びた状態でヨーヨーがすぐに帰って来ない仕組みになっていて、その伸びた糸を使って技を繰り広げるのが醍醐味。
説明が難しくて伝わってなかったらすいません。
 
今の子供たちからすればこの"ハイパーヨーヨー"が普通のヨーヨーなのかもしれませんが、これが流行り出した当時はすごい人気でなかなか手に入れることができませんでした。
いくつか種類があって、振り下ろして手首のスナップを使って戻すまで上がってこないヨーヨーや、ヨーヨーの回転が弱くなってくると自然に上がってくるお腹すかせたヨークシャテリアみたいなやつまで。
 
ミニ四駆やビーダマン、ポケモンと流行りものに目がなかった僕は当然の如く"ハイパーヨーヨー"が欲しかったがオモチャ屋さんどこに行っても売り切れで予約もできない程だった。
僕みたいな低流家庭の子供は大体こうゆう大ブームが起きるとブームが落ち着くまで泣く泣く我慢しているのだが、低流家庭のクセにオモチャの卸売りをしている親父を持つ同級生の岩崎くんは放課後の公園に見せつけるように持ってきやがる。
しかも、当時一番高かった"ハイパーレイダー"という何でできているのかわからんが落としても壊れない!という他のプラスチック製のボディとは違った魔裟斗ばりの鋼鉄のボディでキラキラと光り輝いてました。しかも5000円もする。
見るたびにぶっこわしてやろうかと思っていました。もちろんしてませんが。いや、壊せないのです。
 
ハイパーヨーヨーのオリジナル技の中に"ロケット"というのがあった。
ヨーヨーを振り下ろし糸が伸びてる状態の時に指から糸を外し、糸の先端を引っ張る様に上空に投げる。引っ張られた反動でヨーヨーは糸を巻き寄せ、落ちてきたヨーヨー本体をズボンのポケットでキャッチする。
これが決まるとすごくかっこよかった。
 
クラスで唯一ハイパーヨーヨーを持っていた岩崎くんは当時まだ知る由もなかった言葉だが"満面のドヤ顔"でロケットを見せつけてきた。
僕は『落とせ。落とせ。』と心の中で願いながら。
 
相当練習してきたのか、何度も何度も見せてくる。
岩崎くんはひょろ長とした体型だが顔は男爵芋に似ていてそれが余計に癪にさわった。
芋崎くんはまた指から糸と外して、空に向かってヨーヨーを投げた。
 
その瞬間、願いは違う形で叶った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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カラスがくわえて持っていってしまったのです。
 
 
岩崎くんは過去に学校の登校中に『ああ〜いい天気〜!』と空に向かって伸びをした時に目にハトの糞が落ちてきたことがあるぐらい鳥運がなかった。
それにしてもここまで綺麗にタイミング良く持って行かれることがあるのか。カラスがキラキラしたものが好きなのは知っていたが、驚きと喜びが隠せなくて腰が抜けるほど笑ったことを覚えている。
 
 
 
 
それから2ヶ月ぐらい経ち、ようやく僕の手元にも"ハイパーヨーヨー"が届いた。
ブームが落ち着いたわけではない。むしろ余計に人気が上がってる最中で父さんが知り合いのツテを使って買ってきてくれたのです。僕はすごい嬉しくて塾をさぼって公園に持っていった。
 
公園にはまた新しいヨーヨーを持った男爵岩崎がいた。
先輩面をするようにヨーヨーの遊び方を語ろうとしてきたが僕は無視をしながらパッケージからヨーヨーを取り出した。
僕が買ってもらったのは『ステルスブレイン』という序盤に説明した自動で帰ってくるヨークシャテリアモデルのヨーヨーだった(ヨークシャテリアモデルではない)。
 
指を掛けるための輪っかを作り、指を通して深呼吸。
男爵ボーイ岩崎が何か言ってくるが興奮したヨークシャテリア吉本はもう止められない。やめられないとまらない。
この腕を振り下ろした瞬間から僕も1人の立派なヨーヨープレイヤーとなるわけだ。
ようやく手にした喜びをしっかりと噛み締め大きく息を吸って腕を振り下ろした。
ヨーヨーは手から離れ地面に向かって急降下していき、そのまま地面にぶつかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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きれいな顔してるだろ ウソみたいだろ
死んでるんだぜ。それで・・・
たいしたキズもないのに、ただ、ちょっと打ちどころが悪かっただけで・・・
もう動かないんだぜ な 
ウソみたいだろ
 
 
 
 
男爵ボーイが僕にうるさく言っていたのは
『最初は糸が長いから切った方がいいよ』というとてつもなく的確なアドバイスだった。
 
あの時、カラスにヨーヨーを奪い去られた男爵ボーイのことを死ぬ程に笑ったからなのか。天罰が下ったのか。
そんなことよりも父さんに合わせる顔がない。帰ったら確実に感想を求められる。
絶対に怒られる。それから数日、僕は父さんが仕事から帰ってくるまでに寝るという毎日が続いた(のちにバレてすごく怒られた)。
 
後々知ったのだが、どうやら売り切れ続出でどこに行っても普通に買う事ができなかったから、プレミアがついた定価の3倍の値段で買ってきてくれたそうだ。僕がすごく欲しそうにしていたから。
欲しいからすぐに買い与えるというのが嫌いだった厳しい父さんにしては珍しくて僕はビックリしていた。そしてそれが嬉しくもあった。
 
それを知ってから、真っ二つになったものの宝物としてずっと机の引き出しに直しておいていた。
 
ヨーヨーは一度も返ってこなかったけど、父さんを亡くしてから僕は今でもたまにあの時嬉しかったことを振り返っている。
 
 
 
 
おわり
 
 
 
 
 
 
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著者:吉本ユータヌキ (id:horahareta13)

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唐揚げと長澤まさみをこよなく愛す1986年製たぬき型人間。