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horahareta

吉本ユータヌキのホームページ

忘れない思い出

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こんばんはー,

 

 先日の仕事での話

僕は今、営業の仕事をしてまして、いわゆる訪問販売って言う一般家庭に飛び込んだり、顧客の方のところに行ったりして訪問営業をしています。

平日の昼間がメインなので、飛び込んだ家には年配の方が多くて、営業の話だけじゃなくて、世間話をすることもたくさんあります。

 

半年に1月程滋賀まで出張するんですが、普段は大阪や京都がメインで働いてまして、大阪は特になんですが、飛び込み営業(新聞、ネット関係、ヤクルトなど)や、NHKの料金徴収など、家に訪問してくる人が多いからか、インターホンで用件も聞かずに切られてしまうことが多いのです。

それに比べて、彦根の人はインターホンを鳴らすと

『どうぞー!』って奥から聴こえてきて、入ってくださいと言うのです。

不用心やなーって思うんですが、そうゆう県民性、そんなことができる街ってのも魅力でもあると思っています。

 

そんな彦根で訪問した家でのこと。

家の玄関先から庭まで綺麗な花がいっぱい咲いてある家でした。

 

インターホンを押すと

『どうぞー!入ってくださーい!』と相変わらずの返事。

インターホンにカメラが付いてるにも関わらず。

ドアを開けると中には80代ぐらいのおばあちゃんが立っていました。

挨拶をして、営業トークをするが、耳が悪いようで話が届いてないようでした。

おばあちゃんが『私1人やから何もわからへんのー。』って。

大きな一軒家だったので、家族は何時頃に帰ってくるか、耳元に近づいて聞いてみると

『この家、私1人で住んでるの。』と。

 

こうなると営業はできないので、挨拶をして帰ろうとすると。

『どんな御用ですか?』と聞いてきたのです。

 

一応説明はするものの伝わらなかったので、お話好きそうなおばあちゃんやったし、時間もあったので世間話に切り替えました。

 

 色々話していくと、おばあちゃんは今年92歳。年齢よりはるかに若く見えた。

昔は息子がいたけど、結婚して出て行ってしまい、おじいちゃんと2人暮らしになって、去年におじいちゃんが亡くなってしまったそうです。

 

そんなおばあちゃんの話を聞いて途中に気づいたのが、おばあちゃんはおそらく認知症で、同じ話を何回もすることがわかりました。

おじいちゃんの話が終わったら息子の話、

息子の話が終わったら孫の話、

孫の話が終わったら、またおじいちゃんの話

と何回も繰り返してました。

 

けど、おばあちゃんは話すのが好きなのかどこか楽しそうで、何回も何回も笑いながら話してくれました。

長々話してると、お茶を出すからあがってと言われ、さすがに家の中にはと思ったのですが、見せたい物があると言われたので少しだけ家の中にお邪魔しました。

 

大きくて綺麗な家でおばあちゃん一人には持て余す広さでした。

リビングに行き、イスに座らせてもらいお茶をいただいてると、おばあちゃんは隣の部屋に行きました。

リビングの至る所には食べかけのご飯とか、やりかけの物もいっぱい。

途中で忘れてしまってるんやろうなーと思ってました。

 

そんなことを思ってたら、隣の部屋からピアノの音が聴こえて来て、見に行くとおばあちゃんがピアノを弾いてたんです。

 

昔よく聴いた童謡の譜面がたくさん並べてあって、弾いてたのは童謡の"小さい秋"でした。

おばあちゃんは昔、合唱団でピアノ担当していたそうで、すごい上手かったんです。

歌詞がわからないのか鼻歌で小さく歌ってました。

 

後々おばあちゃんに聞いてみると、去年亡くなったおじいちゃんはおばあちゃんが弾くピアノが好きやったみたいで、毎日おばあちゃんが弾いて、おじいちゃんが歌ってたそうです。

だから、おじいちゃんが亡くなってからも毎日おばあちゃんはおじいちゃんのためにピアノを弾き続けてるそうです。

庭に咲いてある花もおじいちゃんが好きやった花を今でも毎日お水をあげて手入れして育ててるとのことでした。

 

 

ピアノを弾き終えたおばあちゃんはリビングに戻ってくると、また家族の話をはじめる。すっごい嬉しそうに。

途中、僕がなんで来たのかも忘れてて説明をしたり、さっきまで言えてた孫の名前を忘れてしまったり。昨日なにしてたか、昔どんな仕事をしてたかも覚えてないと答えるのです。

 

仕事の時間の関係でお茶を飲み終えて帰ってしまったのですが、

認知症のおばあちゃん一人で暮らしているっての心配で仕方なかった。

 

訪問でいろんな家に行ってると、このおばあちゃんと一緒で認知症になってしまっているご老人な方はたくさんいる。

その度に心配にもなる。

 

けど、いつも共通してるのは、前日のご飯や出来事を忘れてしまってても綺麗な思い出だけはしっかり覚えてるということ。

当たり前のことかもしれんけど、今回のおばあちゃんもおじいちゃんの好きな曲をしっかり覚えてたし、演奏もできてる、好きな花に水をあげることはしっかり日課になってるということ。すごいなーと思った。

そんな話を何回も話すけど、絶対に嬉しそうに話すこと。

最後には『いっぱいお話してくれてありがとうなー。』って。

偽りひとつないキラキラした目で言ってくれた。

こっちがいろんなこと教えてくれてありがとうって気持ちでいっぱいやのに。

いっぱい苦労してきたんやけど、幸せな人生やったんやろなー。

いつまでも大切で綺麗な思い出はおばあちゃんの忘れる事ない宝物なんやろな。

 

 

自分もそんな人生にしたいなーって思ったって話でした。

 

 

 

おわり